Cohiba Ambar '24
2024-07-10
2021年に発表されたアンバーは、2024年初頭からのデリバリーになった。
コイーバのスタンダードラインの新作は2016年のメディオシグロ以来なので、それは市場の期待値も高い。
みんな今か今かと待ち続け、すっかりハバノスの術中にはまっている。
アンバーのサイズはRG53x132mm、ビトラ・デ・ガレラ:プラセレス(ビトラ・デ・サリダ:ロブストエクストラ)。じわじわと増えてきた奇数リングゲージ。そしてオリジナルビトラだ。
パッケージはチュボス3本入りカードボードパックの5箱入りで15本パックと、10本入りボワト・ナチュール。コイーバなので当然ラッカーフィニッシュだ。
箱を開けると、ウッドとコイーバ特有の蒸れた甘い発酵香が広がる。
ラッパーはコロラド。適度にオイリーで、巻きはなかなか。やはり一番目を引くのはピッグテールだ。
ヘッドをフラットカットでピッグテールを切り落とし、広いフットに火を回す。
栗の焼ける香りが広がる。
喫煙すると、ピリッとスパイシー。そして巨大なウッド。
ずっしりと腰の座ったオークに、栗の焦げた皮。
粒子の細かいしっとりした三温糖のような甘みに、柔らかなウッドと控えめなレザー。上品な和菓子のようなイメージ。ミディアム。
大きなリングゲージで煙量が豊かだが、煙いとか苦しいとかはない。押しつけがましさのない、あくまでソフトな優しいスモークだ。実際、綿菓子を口にしているような錯覚に陥る瞬間がある。
中盤、レザーが拡大する。
着火した瞬間からうま味・コクともに申し分ないが、ここに来てうま味がさらに深まる。
栗は若干落ち着き、ナッツとペッパー、魚介類の出汁のようなうま味。
軽やかで緻密なタッチが矛盾なく同居するのはハバノスの白眉。
焼いた海老の殻のような香ばしさ。鼻を抜ける白粉が爽快。
終盤にブローすると、まったりとした栗羊羹。
ピカン、ナツメグ、アフターにわずかにペッパーのアクセント。
濃いレザーで終局に向かう。焼き立てのパンを連想させて、60分で喫了。
BHK52と54のちょうど間のようなビトラだが、印象は全く異なる。姿からはあまり想像できない、柔らかで爽快なコイーバだ。
日本ではまだ財務省に登録されていないので、販売はまだ未定。日本のコイーバの定価は低く設定されているので、実際に市場に出回るのはいつになるのかわからない。
入荷次第、争奪戦になるだろう。
LABEL : Cohiba