Ramon Allones Sr. Henry 2020 ER Alemania

2024-07-27

Sr・ヘンリーはアレマニア(スペイン語でドイツを指す)限定のエディシオン・レヒオナルだ。Ramon Allonesからの登場で、2021年に市場に供給され始めた。

この葉巻の名前は、当然ハインリッヒ・ビリガーその人を指す。2020年、彼の生誕90周年を祝うシガーだ。
ビリガーは1989年にハバノスのドイツにおけるディストリビューター、5th Avenueの共同創設者となり、マネージング・ディレクターとなっている。
また、同じくスイスのディストリビューター、インタータバコの共同創設者でもある。スイスはビリガー・ゾーネの本拠だが、彼に敬意を表し、功績と長寿を祝うシガーはハバノスが生産した。

葉巻のサイズはRG54x150mm、ビトラ・デ・ガレラ:ヘニアレス(ビトラ・デ・サリダ:ロブストエクストラ)。オヨ・デ・サンファンと同じビトラで、10本入りドレスボックスが18000箱生産された。


葉巻を観察する。
ラッパーは濃いめのコロラド。表面はオイリーで艶があり、触れるとその油分を感じ取れる。葉脈が美しい。
香りは強いタバコ香、ウッド。
通常のラモン・アロネスのリングと、特別なERダブルリングがついている。フェニキアの出すERでよく使われているタイプのデザイン違いだ。

ヘッドをフラットカットし、空吸いする。リングゲージ54のドローを邪魔するものなどない。
断面から蒸れたような、コニャックのような強いタバコ香。
フットに火を回す。立ち昇る煙は重厚なウッド。

喫煙する。白樺の焚き火。こっくりとしたコクは熟れたコニャックを思わせる。椎茸のような緻密な植物系のうま味、ほのかにビター。ストロング。
百合の花粉、松の表皮、深煎りのコーヒー。アフターの蜂蜜のような「点」が舌に残る。


それらが燃焼と喫煙の微妙な変化で、万華鏡のように瞬時に変化していく奥行きの深さ。
煙のテクスチャはみっしりと緻密だが、荒っぽさはない。スムースだが、塊感がある。
ラモン・アロネスの植物感が圧縮されたような個性がのびのびと示されている。

中盤は蜜感と強いウッドが噴出する。
ラモン・アロネスの持つ分厚いグラス(草)を彷彿とさせる、層をなす強烈なタバコ感は、太いリングゲージでさらに盛り込まれたフィラーで増幅されている。
ねっとりとした甘みと、青っぽい爽快なアフターのコントラストは立体的で、輪郭がなぞれそうだ。

終盤はさらにタバコのタッチが立ち上がり、強烈な強さへ。
口腔には綿菓子がいっぱいだ。
ブローすると濃い蜂蜜が炸裂し、得も言われぬ多幸感に浸される。
石鹸、ハーブ、レザー、ホワイトペッパー。終局までタッチの変化は色とりどりで、最後まで手を抜かない。

70分で喫了。
太いリングゲージでも飽きがなく、バラエティに富んだ表情を見せてくれる。
ストロングで太いシガーに陥りがちな、そういう欠点もない。こなれた作品と言えるだろう。
こういった記念碑的なシガーは大事に取っておきたくもなるが、吸われるために作られるのがシガー。葉巻業界の偉人、ハインリッヒもそう考えるはず。

LABEL : Ramon Allones 【Edicion Regional】