Cuaba Exclusivos '02

2015-06-03

 

クアバは1996年に設立された新しいブランドだ。

名前の元になったのはキューバに自生する同名の木で、それは燃焼性が良いために現地民がタバコに火をつけるのに使っていたという謂れのようだ。
特徴はいうまでもなく、全てのビトラに共通のフィギュラド・シェイプ。
いかにも葉巻なこの形、巻くのはかなり難しいようで熟練したトルセドールしか扱えない。
特別なリリースではフィギュラドではないシェイプもあるが、この形はクアバのアイデンティティだ。
しかし悲しいかな、熟練工がどんどん減っていっているのかクアバの形もどんどん変わっていっている。
10年以上前のクアバはヘッドからリングにかけての肩が(頭の下の辺りなので肩と勝手に呼んでいる。このような呼び方はシガーにはない)こんもりと張っており、ボリューミーな形だったが、最近のクアバを箱から出してみると肩は窄まり、非常に弱々しい形に。
ドローが良いものが増えてきたが、それに比例して見た目の貧弱なものが幅を利かせてきた。
 
気を取り直してエクスクルシボス。
サイズは46×145、エクスクイジートス(ペルフェクト)。
ヘッドの処理はお世辞にも上手とはいえない。しかしこれは経年変化でキャップがめくれてきたのだろう。がっちりと巻かれている。
色合いは濃いめのクラロ。小さな斑点がはしるラッパーはなかなかそそる。
香りを嗅ぐと古い民家。乾いた貝殻。ヘッドを切り落として着火する。
 

クアバ特有の細いフットを焦がすと、乾いた柴のような芳香が立ち昇った。
ひと口吸い込むと、甘い木質系の薄皮一枚の下に、軽快なビター。
そしてすぐ塩素。スチール。樹。喫味は濃いミディアムボディ。
深入りのコーヒーも感じる。喉奥に広がる分厚いウッディ感。
美しい白い灰を落とし、強く喫煙する。
棘を感じぬビターとさらりとしたペッパーが通過する。
最も径が大きい辺りで、塩素系の揮発感に縦横にまみれる。クアバはフット着火からここまで、またその後のだんだんゲージが細くなる過程の変化が非常に楽しい。
 
煎り大豆のようなコクを感じさせながら、中盤は何ともいえぬ心地よいビターが輪郭をはっきりとさせ、アーモンドの皮のような形を取る。
燻し銀の味わい。旨みは強い。
終盤、煙を吐き出したアフターに魚介の旨みを感じる。
ウッド、ペッパー、コーヒーが軽いビターなテイストでまとめられ渦を巻く。
残り5センチでガス香が噴き出す。……
 
気がつくと唇に熱を感じるほど短くなっていた。
70分で喫了。
地味めでちょっと手が伸びにくいブランドだが、このシガーは玄人好みだと思う。

LABEL : Cuaba 【Aged】