San Cristobal de La Habana La Fuerza '01

2015-06-03

 
ラ・フェルサは他のサン・クリストバル・デ・ラ・ハバナのスタンダードなビトラと同じく、1999年にリリースされた。
レモン色とブラウンのリングは最初違和感があったが、すでに10年を超える箱も存在する立派なハバナシガーのブランドだ。
ラ・フェルサの名は他のスタンダードラインと同じく、キューバの城砦群からその名をとられている。
 
サイズは50×141、ゴルディトス(ロブスト・エクストラ)。他のサン・クリストバルと同じく、このサイズはこのビトラだけのオリジナルだ。
香りを確認すると、僅かに紙の香り。葉巻自体の香りはきわめて薄い。
ボックスプレスされたラッパーはやや青っぽいコロラド。葉脈の浮きはほとんどない。
フラットカットして空吸いしてみると、ドローはややきつい。
 
フットを炙ると、杉材を燃やす香りが立ち昇る。
口をつけると……これはむき出しのカカオ。欅の古木。黒インク。
喫味はミディアム。
上顎に樹が分厚く張り付いてくる。アフターに感じるのは古いキノコのようなコク、粗雑な甘さ・粗糖、そしてウッディな旨み。
白い灰を叩き落して強く喫煙してみる。
ウッドは一気にメタリックに変容し鼻腔を通り抜ける。
 

中盤、テイストは複雑に絡まりあいメタリックなキノコ(?)が出来上がる。妙な形容だがそのようにしか言い表せない。
このあたりから、バリバリと音を立ててラッパーが弾けはじめた。
葉巻の内部が蒸れて膨張し、葉が耐えられなくなって破れ始めたのだ。よくあることである。
メタリックは立体的に変化し、ウッディにビターに……縦横に駆け巡る。
 
亀裂を広げて、終盤に達した火口は金属質のミントへ化ける。
爆発した葉巻の穂先は口中へ金属片の雨を降らせ、そして散華した。
80分で喫了。エイジドのサン・クリストバル、なかなか凶悪だ。

LABEL : San Cristobal de La Habana 【Aged】