Ramon Allones Belicoso '04

2015-06-03


ちょっと成り立ちが変わった葉巻だ。
アロネス・ベリコソはイギリス限定品として25本入り化粧箱でスペシャルリリースされたビトラだが、ERではない(リングもシングルだ)。
いろいろ調べるとこの葉巻は2005年にリリースされたということだが、手元のメモにはこれは2004年のものだとある。
ERのリリースが始まったのは2005年なので、このベリコソは地域限定シガーのプロトタイプとしてイギリス市場で展開されたのではないか、と推測している。
販売本数は公表されていない……ますますテストケースとしての可能性が高い。
ちなみにERを除いてラモン唯一のピラミデシェイプだ。
 
サイズは52×140、カンパナス(ピラミデ)。
香りは優しい樹の香り。
ほんの僅かに、花の蜜のような甘さを感じる香りがある。
 
フットは四角い。シェイプはピラミデだが、昔のシェイプのようなフットに行くにしたがってやや径が広くなっていく末広がりだ。
ラッパーは若干濃い目のコロラド・クラロ。表面はしっとりしており、美しいラッパーだ。
 
フットを吸ってみるとドローは良いようだ。ヘッドを大振りにカットする。
ピラミデはリカットできるのも魅力だが、吸い始めは吸い込み多く必要で、終盤には吸い込みが少なくなっていくのがシガーなので、詰まり以外でリカットはあまり意味がない。
 

フットをゆっくり焦がす。赤葡萄、樹脂の染み出た樹の皮、炒りナッツが浮き上がる。
喫煙すると、樹の甘み。ひたすら優しい、柔らかな旨み。
追いかけてくるアーモンド、白い花、一粒の白胡椒。ハッとするほど若々しいテイストだ。
 
10年前の葉巻とは思えない瑞々しさ。首を捻りながら灰を落とし、強喫煙する。
白檀が開花した。硬質化したウッドが口腔を突き刺す。優しさはその反動で暴力的な味覚の嵐が荒れる。
 
中盤、一度火が付いた香木が上顎で燃え続けている。咽るような香りが口中から湧き続ける。
どこからともなくトースト感が顔を出し、アフターを盛り上げる。このトースト感……!
ときどき吹き戻すと返ってくる白胡椒のアクセントも絡めてぐいぐい引っ張ってくる。
 
終盤、白胡椒は黒胡椒へと変貌し、レザーが立ち上がってくる。
一貫して味わいは若々しい。若々しい、といってもアンモニアや獣臭は微塵もなく、葉巻の味わい自体に弾力がある。これは驚きだ。
 
70分で喫了。
いろいろと背景が面白い葉巻だが、確実にわかるのはイギリス向け葉巻が他のハバノスと一線を画していること。
ユーロ向けシガーはその他市場のシガーと比べて群を抜いているが、イギリスはそれに輪をかけて差別的な旨さがある。いやはやまったく。

LABEL : Ramon Allones 【Aged】 【Special】