Quai d'Orsay Coronas Claro '11
2015-06-03
正式名称は「コロナス・クラロ」だが「コロナス」と呼ぶ人も多い。箱には「CORONAS」としか書いていないのでそれも仕方ない。
昔はちゃんと書かれていたらしいが、CUBATABACO時代の古い箱の底にはラッパーの色を示すスタンプが為されていたので、その名残だろうか?
サイズは42×142、コロナス(コロナ)。おなじみのサイズである。
SBNを開くと、たっぷりとした樹の芳香の奥に僅かな獣臭。濃いレザーに近い。
ラッパーは暗めのコロラド。名前はクラロだが色はそれには程遠い。
表面はモザイクのように薄い葉脈が走って、ところどころ産毛が生えている。
この産毛のようなものを10倍に拡大して見てみると、植物の微細な根毛のように葉巻から「生えて」いる。ブルームではないが正体がカビなのかタバコ葉の一部なのか知りたいので誰か顕微鏡でも使ってくれないものだろうか。
ヘッドをフラットカット。断面からふくよかなタバコ香。ドローはやや硬い。
フットを焦がすと、フレッシュな杉香が立ち昇った。
ひと口吸えば、樹の甘さ。凝縮したウッドの軽やかな甘みが口腔を満たした。
淡白だが旨みがある。ライトボディ。
焦がしキャラメルやナッツ、ドライフルーツ。田舎のドライケーキのようだ。それにアフターのレザーが彩りを添える。
強喫煙すると野太くなったウッドとビターが攻めて来る。
中盤、青っぽかったウッドが乾いた木のニュアンスへと変化する。
仄かにキノコ感がある。ケ・ドルセーに共通した優しい味わいだ。
終盤にはドライフラワーのようなニュアンスが現れた。
ウッドも大きく太くなり、満足感を底上げしてくる。
70分で喫了。
希少(になってしまった)コロナサイズで現行の葉巻だ。
箱もSBNで熟成にも良いと思われるので、1箱を奥底に隠して10年ほど寝かせても面白いかもしれない。
LABEL : Quai d'Orsay