Davidoff 3000 '87

2015-06-03


ダビドフ3000はナンバー・シリーズのひとつで、キューバンダビドフは1000から5000の5種類が存在した。
現行のドミニカンダビドフに同名のビトラが存在するが、何から何まで別物と言ってもいいだろう(リングも別物だ)。
やはり91年にディスコンとなっており探すのはかなり困難だ。

サイズは33×178、ニンファス(スリム・パナテラ)。エレガントなシェイプだ。
香りをかぐと湿り気を帯びた朽ち木、古い日本家屋。
感触はやや硬い。ラッパーはコロラド・マデューロ。表面はやや荒い。現行のダビドフは絹のように美しいラッパーだが、やはりキューバンはキューバンの面構えをしている。
キャップにダメージを与えないように慎重に回し切り。フラットカット。空吸いするとドローはストローのように通る。

フットを炙ると重々しい丸太の燃える香り。
喫煙する。コク深いビターが口腔を支配する。繁茂する枯れた柴山。焦げ感。
びっしりとインクで書かれた古手紙の束。雪山の薪。ミディアムフル。



3センチほどで真っ白い灰を落とし、強喫煙する。
白檀が噴き出し、洋梨の甘さが抜けていった。えも言われぬ喫味に陶然とする。
ゲージの割に煙量が多く、煙の感触も非常に緻密だ。アフターに炭酸水のようなほのかな酸味がアクセントに。

ローストナッツとウッド、白檀の絶妙な枯れ感を味わっていると終盤に差し掛かる。
残り3センチから目まぐるしく変わる。強烈なウッド、タンニンが歯茎に刺さる。
フルボディへと変貌したその味わいは牙を剥き、優雅な外見に似合わぬ激烈な喫味に身悶える。
60分で喫了。
ダビドフはいつも驚きを与えてくれる。
すでにキューバに存在しないブランドなのに、その大きさに感じ入るばかりだ。

LABEL : Davidoff 【Aged】