Cohiba Robustos '03
2016-01-13
コイーバ ロブストは1989年にデリバリーが開始され、今日でも流通している。およそどこのシガーショップでも入手可能な、手頃なサイズのコイーバだ。
ニス塗り25CABか、3本入りペーパーパックで販売されている。紙の臭いがついて、葉巻の風味が紙に吸われていないCABものを買おう。
サイズは50×124、ロブストス(ロブスト)。典型的なロブストのサイズだ。
箱から取り出し鼻を近づける。強いウッド。キャビネットの香りが移っている。わずかにタバコ香。
コロラドのラッパーは痩せて葉脈が浮き出し、カサついている。表面はややまだらだが、繊細で薄いラッパーが透けているようだ。経年変化が現れているが、このシガーは生産されてから12年しか経っていない。ヴィンテージとはまだ呼べない、エイジドシガーだ。
フットを焦がすと、杉板を焼いたような香りに糖蜜を焦がしたような香りが絡む。喫煙する。
蒸かしたサツマイモ。使い込んだ鞣し革の鞍。秋の草原の野焼き。
カラメル。コーヒー豆。シュー生地。そしてウッド。無辺大のウッド。まるで大木の幹の中に閉じ込められたかのような、密度の濃いウッドはそんな幻影さえ見せる。
ミディアムボディ。素晴らしいコクと旨み。口中にまみれる煙が恍惚へ誘う。
強喫煙すると、魚介類を長時間煮出したようなコクのあるスープが湧き出る。
熱した鉄の風味が鮮烈に目を覚まし、ハーブがアクセントを加える。最高の一皿だ。
中盤には焼き栗が漂ってくる。皮付きのやつだ。
余韻が長く、煙を吐いたあといつまでも甘さとウッドの絡み合った後味が舌と喉の奥に残る。ナッツのタルト。
吹き戻していっぱいに吸い込むと、ガス香がまろび出た。暴力的なまでのパヒューム。香りの奔流に、くらくらする。豊かな煙量に目の前も頭の中も白くなる。
なめらかな、ショコラティエが作ったスパイス入りチョコレートのようなリッチな味わい。葉巻内部が蒸れて、スパイスが引き立ってきた。デザートの時間である。
吹き戻しと喫煙を繰り返し、最後の豊かな味わいを堪能する。
50分で喫了。しっかりと熟成されたコイーバは、美味しいというより「美しい」。
スモーカーの至福はここにある。