Trinidad La Trova '17

2017-11-17

2017年11月16日、トリニダ ラ・トローバが世界で解禁された。
その舞台に選ばれたのはアジア・パシフィックエリアで、ハバノスの新製品の封切りがそこでなされたというのは歴史的な出来事だと思う。
これもパシフィック・シガー・カンパニーのディストリビューターとしての勢力の拡大と、それに連なるラ・カーサ・デル・ハバノを持つ各企業の努力がなした素晴らしい結果だと言えよう。

トロワ、トロヴァ、トローヴァなど呼ばれているがそのうち読み方のぶれも落ちつくことだろう。ここではプレスリリースにならってトローバに統一する。
ラ・トローバはCohiba 1966 EL2011と同じ、RG52×166mm、ビトラ・デ・ガレラ:カニョナソ・エスペシアル(ビトラ・デ・サリダ:ダブルロブスト)。他のTrinidadと同じく、ピッグテールをヘッドにあしらわれている。ニス塗りSBNに2段で12本が納められる。

箱を開けると、TrinidadのリングとダブルリングのLa Casa del Habanoの臙脂色のリングが目に飛び込んでくる。このシガーはLCDHのみでの取り扱いだ。
豊潤なタバコ葉とウッドの香り。鼻を近づけると発酵した甘いタバコ葉の香りだ。
ラッパーは非常に滑らかなコロラドで、葉脈は薄い。極上の葉を丹念に使用していることが分かるクオリティだ。
フットを吸ってドローをチェックする。このビトラでドローが固いことはまずない。
ヘッドをフラットカットし、さらにフットを吹いて葉くずを飛ばし、着火する。

 


立ち昇る複雑なアロマ。ウッド、レザーが完璧に調和した味わい。
鞣し革の風合いが強い、バランスが取れたウッド。生クリーム、ナツメグ、メープルシロップ。わずかな酸味、コケモモ、ナッティー。ミディアム。
まごうことなきTrinidad味だ。
こっくりとしたコクが熟れたリンゴ酒のようで非常に丸い。うま味が強くあとを引く。
何よりクリームを口に含んでいるかのような煙のタッチが素晴らしい。
3センチほどで灰を落とし強喫煙すると、焼いた肉厚の椎茸のうま味がガツンと舌を突く。まがい物でなく椎の木に生る本物のあれの風味だ。脳内物質がだだ漏れに生るのを感じる。

中盤、葉巻内部が蒸れてくるとうま味がさらにシフトアップする。ナッツ感が高まり、軽快な喫味と引きずり込むようなうま味に思わず突っ込んで喫煙しそうになる。
蜜の甘みも強く、鼻につんと来るような尖った甘さだ。ブローすると牧草のような豊かなタバコ感が口一杯に広がり、アフターの余韻に酔わせる。

コニャックのような熟れた発酵感と輪郭のあるような煙の感触を楽しんでいると、すでにリングまで火は達している。
花蜜、クルミが太くなり、ハバノス特有の立体感、積層感にさらに深みが増す。
吸いごたえのある大きなリングゲージとシガーの長さがもたらす紫煙の快感にまみれ、70分で喫了。

LCDHラインにまた新たなシガーが加わった。その名の通り、スモーカーにはシガーの楽しみをこの葉巻から見いだしてほしい。

LABEL : Trinidad 【LCDH】