Trinidad Ingenios Edicion Limitada 2007

2019-05-20

インヘニオスは2007年のエディシオン・リミターダだ。トリニダの他に、この年はオヨ・デ・モントレイからレガロス、ロメオ・イ・フリエタからはエスクドスがリリースされた。当たり年だったと記憶している。
インヘニオスはTrinidad初のELとして盛大に歓迎された。その後のELであるショートロブストT、トペスの人気を見れば、Trinidadの人気も伺える。

このシガーは他のTrinidadと同じ、偶数の12本がSBNに収められている。
一本取り出してチェックしてみる。
サイズはRG42x165mm、ビトラ・デ・ガレラ:セルバンテス(ビトラ・デ・サリダ:ロンズデール)。ロンズデールにハズレ無し、は自分の認識だ。
ELなので2年熟成させたリーフを利用している。ラッパーはマデューロ。
Trinidadの象徴であるピッグテールがピンと立っている。金黒のELダブルリング。
表面のオイル分は痕跡を残し、香りはウッドを濃くまとっている。

ヘッドをフラットカット。ピッグテールを切り落とす。
フットに火を回すと、力強いウッドが茂った。喫煙する。
丸いウッド。非常にスムースで角がない。しかし浅さは全く感じず、どこまでも深度があり呼吸ひとつで芯から硬い樫の木のような表情を見せる。
無辺台に広がるウッドの上にザラメ。たんぱく質、地鶏のようなうま味がある。
オレンジピール、ダークローストコーヒー、ココアも感じる。それはシガーというより、一流のショコラティエが提供する素晴らしいスイーツのひと皿のよう。強さとしてはミディアム。


緻密なテクスチャに圧倒されるばかりの中盤、強喫煙すると爆発的な白粉の噴煙が上がる。
現代では細身ともいえるこのRGにこの爆発力は驚嘆する。
石鹸と香水の香りが交錯し、女性的なタッチを感じる。むせるようなブーケ。アフターのカカオが非常に濃厚だ。ウッディというよりフルーティな喫感へと変化する。

終盤、ダブルリングを外すとザラメは黒糖へと変化した。
ブローすると熟れた蜜のようなものがしたたり落ちる。ややレザーのタッチが起き上がり、わずかにスパイス。カフェオレが漂った。

70分で喫了。
ロンズデールにハズレ無し。それがELならばなおさらだ。
ELには様々な個性がある。作りたては統一したEL味でそこまで際立っていないが、スタンダードラインの各ブランドの個性が年を経るに従いどんどん露わになっていく。
ぜひチャレンジしてみてほしい。

LABEL : 【Aged】 【Edicion Limitada】