Ramon Allones Especial de Allones 2008 ER Francia

2021-04-21

2008年に発売された、ラモン・アロネスからのフランス限定シガー。このブランドからはフランス限定がこれを含め2種類が発売されている。なんとなくブランドのイメージにフランスは合致しないような気もするので、その種類の少なさも納得感がある。

サイズはRG52x140mm、ビトラ・デ・ガレラ:カンパナス(ビトラ・デ・サリダ:ピラミデ)。ボリバー・ベリコソスフィノスと同じビトラだ。
10本入りドレスボックスが2800箱、20本入りドレスボックスが2800箱という変化球なパッケージングで発売された。

一本取り出してシガーを観察。
表面は綺麗とは言い難い。縦横に葉脈が走る。色は濃淡のあるコロラド。香りは深いウッド。ヘッドは完全に一体化している。経年変化で痩せて、リングが動く。
フラットカットしドローをチェック。フットに火を回す。
濃いウッドが立ち昇り、たちまち深い森の中に叩き込まれる。
喫煙するとビターなタッチ。白樺の皮の焚き火。魚介のうま味、これは本枯節。ストロング。
ニコチンなどタバコ葉の成分がうま味成分へと置き換わり、強烈にあとを引くテイスト。
背景はウッドだが、まるでうま味調味料のように明確に味蕾へ直撃する味。経年変化でテクスチャも柔らか、そして遠くまで広がる立体感、積層感。

10年以上を経て、葉の保湿力も落ちているので燃焼が早い。美味い葉巻は忙しなく吸わないようにするのが難しい。
中盤はうなぎの骨せんべいのような香ばしさも加わり、もはや葉巻ではなく何かうま味の塊の食品を相手にしているかのような錯覚に陥る。まったく葉巻は食べ物である。間違いない。


終盤はさらにうま味がひとしお。
羅臼昆布や干し椎茸のように、出汁を取るための食材か何かなのではないのか?と葉巻を疑いの目で眺める。コハク酸のような味わいが生まれる葉っぱとは一体なんなのか。
まごうことなき貝類のうま味だが、背景にウッド、アフターに伸びるビターは葉巻以外何者でもないので混乱する。

60分で喫了。ひたすらうま味の波に流された。
強いシガーはそれだけ熟成の伸びしろが大きいが、吟味されたERを理想的な環境で10年以上熟成させるとどうなるか、非常に有意義な結果となった。
若いシガーの強烈なテイストは素晴らしいが、エイジドや10年を過ぎたビンテージシガーも素晴らしい。ベクトルが違うので単純に並列で比較することはできない。

LABEL : Ramon Allones 【Aged】 【Edicion Regional】