Romeo y Julieta Mille Fleurs '19
2022-11-28
ミルフルールは実はミルフィーユとはなんの関係もなく、フランス語で「千の花(ミル・フルール)」の意味だ。まあ、ミルフィーユもフランス語で「千の葉」を意味するので遠からず、というところだが。
ハバノスはスペイン語圏の産出品だが、品名はスペイン語以外にもフランス語や英語などのものも色々ある。日本に溢れる日本製の品物も、全部日本語の名前ではない。それと同じだ。
ロメオ・イ・フリエタ ミルフルールは1960年代から現在まで脈々と生産され続けている。
パッケージは変わらず10・25本入りドレスボックスだ。
2002年まではマシンメイドだったシガーのひとつなので、そのころはセロファン入りだった。
サイズは見たままのRG42x129mm、ビトラ・デ・ガレラ:ペティコロナス(ビトラ・デ・サリダ:ペティコロナ)。
Romeo y Julietaには他に同一のビトラでロメオNo.2、ペティコロナ、クラブキングス、セドロス・デ・ルクセNo.3があるので、ヒュミドール内で混ざると判別できなくなる。注意しよう。
箱から取り出してチェック。
ラッパーはコロラド。やや厚めか。ボックスプレスで四角くなっている。香りは芳醇なウッド。
フラットカットしてフットに火を回す。白樺の焚き火。
喫煙すると、ウッド系の淡い甘み。
木の幹の芯からにじみ出た樹液のような、さらっとした甘み。
白粉を彷彿とさせる華やかさと、うま味を含む絶妙なナッティー。ミディアム。
この葉巻が求めているのは重厚感ではない。軽やかなタッチと、それでいて舞うように変化する味わいは非常にユニークだ。クルミ。白い小さな花。
中盤はウッドが太くなり、喫感に変化。
タッチは丸く柔らかいまま、うまみの質が変わっていく。鼻を通るスモークはキリッとしていて澄んでいる。
ひと言で表すのなら、キャラメルナッツタルトか。ほのかに感じるビターも、焦げたキャラメルを想起させる。
終盤、ウッドのコクが深くなる。
カラッとしたドライな吸い心地は終盤になっても変わらず、ストレスなく喫煙できる。
ブローすると酸味を感じさせるドライフルーツが顔を出す。
素晴らしいアロマとともに、短く燃え尽きるのを止めようもない。
50分で喫了。
ハバノスでは軽さは薄さを意味しない。
軽やかな中にもブランドの個性や自己主張としっかりした味わいは存在し、スモーカーを魅了する。
小さいから・軽いブランドだから、などという敬遠は、可能性と未知の楽しみという選択肢を奪うことに他ならない。
LABEL : Romeo y Julieta