Punch Punch Royal 2009 ER Benelux

2023-02-12

パンチ ロイヤルは誰もが気に入るに違いないシガーだ。
ベネルクス三国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)限定のエディシオン・レヒオナルとして、2009年に25本入りCABで2600箱が発売された。
目の肥えたスモーカーが多い成熟したエリアでリリースされた、CAB入りシガー。
サイズはRG50x141mm、ビトラ・デ・ガレラ:ゴルディト(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。
ラ・フェルサから始まったこのロブストよりやや長いビトラ。
そして葉巻の強さとしてはミディアムのポジションであるパンチというブランド。
誰もが気に入るに違いないシガーだ。

ちなみに「ゴルディト」とはスペイン語で「ぽっちゃり」を意味する。
表面の色はコロラド・マデューロ。ラッパーの質感は非常になめらかで、葉脈は少なく絹を思わせる。適度にオイル感があり、ヘッドの処理の上手さは驚嘆するほど。段差が全く無く完全に一体化している。
香りはレザーが優勢のウッド。完璧とも言えるルックスだ。さて味の方は。

ヘッドをフラットカットし、フットに火をつける。
白樺の香りが満ちる。
喫煙する。ほんのりと爽やかな柑橘感にハーブ。複雑に絡み合い、しかし調和したレザーとウッド。
カカオ多めのビターなチョコレート。ぴしっとビターが効き、抑制の取れたテイストは端正であり同時に変化に富んでいる。ミディアム。

巻き上げの技術も職人の技が光り、ドローは均一で、煙量も豊か。
ちなみに葉巻職人というとトルセドールだけがピックアップされがちだが、彼らの仕事は巻き上げのみで味や香りには関与していない。
幾種類もの職人の分業で葉巻は出来上がるので、目に見える手技が派手なトルセドールだけを持ち上げるのはよくある浅学だ。


閑話休題。
中盤につれて牧草とキノコ系のうま味が増進する。
火をつけた瞬間からうま味・コクともに素晴らしかったが、それがさらに太くなる。
ウッドが支配的になり、それもグラス(草)からコーヒーへと振幅が広大で深い。

終盤、さらにグラスが深化する。
ブローすると干し椎茸の激烈なうま味が脳髄をしびれさせる。
最後まで変化する味わいと豊かなアロマで翻弄される。
60分で喫了。

終始ハバノスらしい多面的な表情を見せ、スモーカーを夢中にさせる。
あらゆる面でPunchの優れた点をさらに上に持っていった品質は、ロイヤルの名にふさわしい。
誰もが気に入るに違いないシガーだ。

LABEL : Punch 【Aged】 【Edicion Regional】