Romeo y Julieta Petit Julietas '05

2023-04-10

ペティフリエタはロメオ・イ・フリエタ最小のシガーだ。
(もちろん「シガリロ」は含まない……シガー=葉巻と考えたとき、シガリロは葉巻の範疇に当てはまらないからだ)
ビトラはEl Rey del Mundoのデミタスと同一といえば、想像しやすいだろうか。
25本入りドレスボックスにて少なくとも1960年代より製造され続けているが、5本入りペーパーバックが5箱まとまったパッケージも存在した。かなり手頃な葉巻なので、そのまま持ち運びを想定していたのだろう。

サイズはRG30x100、ビトラ・デ・ガレラ:エントレアクトス(ビトラ・デ・サリダ:スモール・パナテラ)。
エントレアクトは休憩、観劇の幕間を意味する。そんな小さな時間に吸うのにちょうどよいサイズ、ということだ。

小さな葉巻は香り・味ともに飛びやすい。
物質的な理由でそれは明らかだ。葉巻自身が己を糧として時間と水分、微生物などの働きで変化していく過程は、より大きければ大きいほど長期に及べる。
小さな葉巻の変化は早く、短い。

コロラド・クラロのラッパーは完全に油気を失い、表面がカサカサしている。
ボックスプレスで四角くなった体躯。しかし小さなシガーなのにひとつひとつの手仕事が光っている。

ヘッドをフラットカット。小さいのですぐ火はつく。
枯れた白樺の焚き火。
喫煙すると、ドライなウッドのほんのりした甘み。
ぴりつくニコチン感やタンニン感は失せて、贅肉を削いで骨格だけ残ったかのように、澄んだウッドの瑞々しさが口腔を満たす。清涼感のあるミント、黒土。ミディアム。

中盤は喫感が控えめになり、まるでストレスが無くなる。
強く吸うと輪郭ははっきりとし、シガーの形になる。
背景はウッドで、足元にはハーブ。小さくともハバノス、香り高いブーケ。

終盤、ブローするとビターとハーブが渾然一体となり複雑な快感が楽しめる。
牧草のような生っぽい味わいもじわりと伸び、喫味がやや太くなる。
古い紙束、コーヒー、ドライフラワー。
25分で喫了。

ハバノスはレア度や大きさではない。
それにこだわると、本質が見えていない空っぽの夜郎自大に成り果てる。

LABEL : Romeo y Julieta 【Aged】