Cohiba Siglo de Oro '22

2023-09-15

定番となったハバノスの干支シリーズ。2023年はウサギ「イヤー・オブ・ザ・ラビット(year of the rabbit)」だ。
このシグロ・デ・オーロについての細かな来歴はすでに紹介したので、早速喫煙しよう。

サイズはRG54x115mm、ビトラ・デ・ガレラ:エキシトソス(ビトラ・デ・サリダ:ペティロブスト)。このシガーだけのオリジナルビトラだ。

箱を開けると、「YEAR OF THE RABBIT」の特別なフットリングをまとったコイーバが18本。
ウッドと芳醇なタバコ香、ナッツの気配も感じる。
ラッパーは薄くなめらかな手触り。
現代風のごんぶとビトラで、確かな存在感がある。メディオシグロと比べると、若干太く若干長い。

ヘッドをフラットカット。フットリングを取り(こういったリングを上にずらして吸う人もいるが、ラッパーを傷めるリスクを冒してまで見せびらかしたいのだろうか?)、火を灯す。

コイーバのナッティーな芳香。香り高いスモークが空間に満ちる。
喫煙すると、豊かな焼栗。少し焦げ感があり、ホクホクとした感触だ。
ガス香、アーモンド、牧草、レザー。
柔らかな甘みと少しピリッとスパイシーさを感じ、他のコイーバとの違いは明らか。煙量は豊かで濃密なスモークに一気に夢見心地へと誘われる。
コク・うま味ともに申し分なく、立体感と奥行きが見通せない味わいは空中に投げ出されたかのような浮遊感。


こっくりとしたコニャックのようなコクを探っていると中盤。
ひとつ灰を落とし、深く吸い込むと薬草味がでてくる。薬草系リキュールの複雑な味わいだ。
その奥にも甘みが秘められて、どこまでも変化していくテイストにただただ惑わされる。
ローストナッツ、ココア、夏の青草。やはり蒸留酒のようなコクが琥珀の液体の姿を脳裏に描かせる。

頭の中を回るウサギの姿を追っていると、終盤。
ブローすると白粉が花咲く。焼き立てのパンのようなイースト感、焼き栗の皮、甘さとビターの共演。
暴力的なパフュームに鼻腔がしびれる。
ギリギリまで短くなっても、まだ芳香の嵐を噴出させる。

60分で喫了。
問答無用で美味い。特別感を演出する、その外見もさることながらシガーの命はその味わいと香り。
その年その年の訪れを演出するにはもってこいの葉巻だ。
欲を言えばその年の新年とともに味わいたいので、タイミングに合わせてたくさんの生産を希望する。

LABEL : Cohiba 【Special】