Punch Superfinos 2005 ER
2023-10-20
最初のエディシオン・レヒオナルをご存知だろうか?
プロトタイプとしてイギリス市場へ投入されたRamon Allonesベリコソス・フィノスではなく、ER最初の年のものだ。
それはこのPunchスーペルフィノス。
販売国の国名が記されず、「EDICION REGIONAL」一行だけのダブルリングはもはや異様ともいえるレアさだ。
ハバノスの歴史を知る上でも、非常に重要なポイントに位置するシガーだ。
50本入りSLBが300箱、2005年にリリースされた。あまりに反響が大きかったため、2007年にはイタリア向けのダブルリング版が再販されている。
サイズはRG42x110mm、ビトラ・デ・ガレラ:ミヌトス(ビトラ・デ・サリダ:ペティコロナ)。
リングは「RE」がセンターに記された旧リング。というか、パンチの旧リングが使われているERはこのスーペルフィノスしか存在しない。
表面は濃い目のコロラド。ラッパーはお世辞にも高品質とは言えない。無骨な手触りだ。香りは濡れた枯れ葉に近い。
ヘッドをちょんとフラットカットし、火を点ける。
かなりビターなスモークが湧き上がる。
喫煙する。カチッと硬質なタッチ。見た目からは想像できない、圧倒的なボリュームのウッドに目を剥く。
ウッド系のうま味が際限なく溢れ出てくる。キノコ。レザー。カンゾウ。ミディアムフル。
小さなサイズからは驚くような味わいの変化が放たれる。
中盤はキノコとレザーが融合し、うま味の奔流に揉まれて脳から汁が出る。
乾燥シイタケ。古い分厚い革。
幾重にも折り重なり、奥行きが深い。ただただ翻弄されるばかりだ。
あっという間に終盤に達する。小さい葉巻はこれが恨めしい。
ブローすると柔らかい花の香り。奥の方に白墨。
最後までキノコ系のうま味が効いている。ペッパーもさりげなく存在感を出してきて、なにか美味いスープを味わっているような錯覚に陥る。アフターに花の蜜も感じる。
30分で喫了。
このサイズでこれほどの味わい・アロマを誇るシガーは初めてかもしれない。
何度も繰り返して言ってきたが、はっきり言える。ハバノスは大きさではない。
むしろ大きさでしかハバノスを語れないのは、半可通と断言して良い。
それはこの葉巻が教えてくれる。
LABEL : Punch 【Aged】 【Edicion Regional】