Quai D'Orsay Imperiales Travel Retail '23
2023-11-07
ケ・ドルセー インペリアレスの復活である。
インペリアレスは2015年に廃盤となった。Quai D'Orsayがリニューアルする2年前で、おそらくその頃にはブランド再構築の話が進んでいたのだろう。こちらでもちょうどその廃盤の年に取り上げているのが数奇なめぐり合わせだ。
インペリアレスはトラベル・リテールシリーズでの復活となった。トラベルヒュミドールに収められたシリーズで、これが14作目に当たる。
当初はプラスチックのチュボス入りとか迷走していたこのシリーズだが、スタイリッシュなオリジナルヒュミドールに入った限定品、という形に落ち着いてきている。
さてこのインペリアレス、ヒュミドールに20本が収められている。
お定まりの金文字黒箱の紙の外箱。開けるとこれもお定まりの金文字黒布に包まれた本体がまろび出る。
底はベルベット、側面は金属とウッド。この辺の質感は2020年のTrinidadロブスト・エクストラと共通している。
天面は布張りで、「IMPERIALES」の刺繍がかっこいい。中央にはQuai D'Orsayのロゴ。
これだけでも相当いかすが、開ければ中には温度計と湿度計のダイヤル、そして20本のチャーチルがドン!と並ぶ。
現行のQuai D'Orsayのリングは「No.50」とか入っているが、これはERと同じ品名の入っていない汎用バージョン。そしてフットリングが巻かれ、他との違いを示している。うーむ、アガるプレゼンテーションだ。
香りは浅いウッド、レザー。ラッパーはコロラドで、オレンジのリングがマッチしている。
ヘッドをフラットカットしてフットに火を回す。
淡いウッドの香りが満ちる。
喫煙すると、甘いウッド。Quai D'Orsay特有の柑橘感のあるさっぱりしたタッチ。ビター。レザー。ライト。
ピールのような軽快なビターは癖になる。
キノコ類や朽木を感じ、湿度の高い日本の森林を連想させる。軽いが全体的に華やかで、浅くない。ビターが甘みを引き立たせる。ほんのりクルミ。
中盤、乳化したようなまったりとしたスモーク。
グラス(草)やナツメグや白墨が出たり、ニュアンスは刻々と変化するが、序盤のテイストはすべて背景に控えている。
スパイス感が出てきて、さらに変化の振幅が広がる。
朽木はだんだんドライになっていく。
終盤、ビターが鮮やかに太くなる。
ブローするとウッドとビターが炸裂し、視界が白む。
やや酸味を感じ始め、まさにオレンジを彷彿とさせる。
柑橘感とナッティーな余韻を残して80分で喫了。
パッケージの豪華さに引けを取らない豊かな味わいと香り、インペリアレスの復活にふさわしい。
LABEL : Quai d'Orsay 【Special】