La Gloria Cubana Glorias '22

2024-04-14

ラグジュアリーなボワト・ナチュールのLCDHシリーズ。見た目が素晴らしいが、中身はもっと素晴らしい。これは2022年に販売されたLa Gloria Cubanaのグロリアスだ。
クバーナのブランドカラーである濃いブルーとホワイトのボックスに20本が納められている。

問題は名前だ。
「グロリアス」という名前でこのブランドからは先に2種類が販売されている。ひとつは70年代に廃盤に。もうひとつはエディシオン・レヒオナルで登場しているので、「LCDHの」と付けて区別しよう。
それにしてもこのLCDHリングがつくクバーナは2014年のインメンソス以来だ(2017年にLCDH25周年のクバーナが3500箱販売されたが、あれは少し意味合いが違う)。個人的に非常に感慨深い。

サイズはRG49x156mm、ビトラ・デ・ガレラ:フレチャス(ビトラ・デ・サリダ:グランドコロナ)。
手に持ってみて、太さに違和感を感じる。「矢」を意味するフレチャスを与えられているのは、ハバノスでこのシガーだけ。これは驚くべきことだ。
奇数のリングゲージを大々的に解禁したので、今後もこのような新しいリングゲージのシガーが増えていくことだろう。

ラッパーはコロラドで、濃い色がもてはやされる昨今では逆に新鮮な明るい色合いだ。そもそもラッパーは薄い色の方が高品質だ。
適度なオイル感で、香りは香ばしいタバコとレザー。臙脂色のLCDHリングとクバーナのリングの組み合わせは非常に喫煙欲をそそる。

ヘッドをフラットカットし、フットに火を灯す。
立ち昇る煙の芳香が素晴らしい。白樺。
喫煙する。仄かな花の蜜の甘みとともに、牧草、レザー、三温糖。
植物性の甘さがタバコの煙という感じではなく、近いとすれば草餅。ミディアム。

きのこのうま味があふれる。アロマが非常にリッチで、フットから伸びる煙だけでも素晴らしい。
グラス(草)から甘さまで、一口で味わいの変化は大きく輪郭、立体感ともに非常に明確。
確かにこれはグロリア・クバーナだ。


中盤、アフターの柔らかな甘味が癖になる。
グラスはどんどん拡大し、その青さと甘さのコントラストがえも言われぬ多幸感を生む。
これが両立するハバノスはそう多くない。
新しいリングゲージの感触とともに、うーんとひとしきり唸る。

ダブルリングに達して終盤。ブローすると激烈にフローラルが炸裂する。
白墨とカカオが噴出して、陶酔するようなアロマに包まれる。
葉巻は膨張し、豊かな味わいと香りも膨張する。

70分で喫了。
La Gloria Cubanaが帰ってきた。
LCDHが美味いのはすでに改めて説明する必要はないが、そのブランドが備えている特性、個性をしっかり保持している。
箱が豪華なぶん入手しづらい品だが、手に入れる価値は充分ある。
過去のLa Gloria Cubanaファンもぜひ手にとってもらいたい。

LABEL : La Gloria Cubana 【LCDH】