Edmundo Dantes Conde 54 2011 ER Mexico

2024-11-21

Edmundo Dantesは2007年に作られた特別なブランドであり、メキシコのエディシオン・レヒオナルのみに使用されてきた。
これはメキシコのハバノスディストリビューターであるImportadora y Exportadora de Puros y Tabacosのオーナーであるマックス・グットマンの働きかけによるものだ。

メキシコにおけるブランドの「著作権問題」のため、エドムンド・ダンテスが「モンテクリスト」というブランドネームの代用として使われているのだ、というガセネタが広く信じられているが、これは事実に反する。
そもそも著作権問題など存在せず、メキシコでも他国と同じように、モンテクリストは普通に販売されている。
デザインやロゴが似ているために、そのようなデマが広がったのだろう。

その国でのみ販売されるブランドなどありえないと門外漢は言うが、イタリア限定ERとして復活したラ・エスセプシオンを見ればぐうの音も出ないだろう。
シガーの世界では又聞き・勝手な妄想・思い込みで話を広げる輩が多い。
すべてに共通するのは突き詰めると矛盾があることだ。理論的にも筋が通らないので、少し考えればすぐに分かるのだが、これが人づてに伝播していくので始末におえない。

ハバノスを製造する過程で出る端材や、クオリティチェックではじかれたものを寄せ集めて葉巻販売店の店頭で作られる葉巻(つまりハウスロールと呼ばれるもの)を貴重・レアと触れ回り、ボッタクリ価格で売りさばく者(ハウスロールなどキューバでは数ドルで売られている)。
希少だからといって日本の定価以上の価格で葉巻を販売する者、日本で未登録の葉巻を販売する者。どれも犯罪だ。
ただ、当然のようにやられると消費者側で違法だと知らない人は普通に受け止めてしまうのだろう。カモにされるわけである。
このエドムンド・ダンテスにまつわるデマはその一例だ。まるっと信じていた人は危機感を持ったほうがいい。

葉巻をチェックする。
色はわずかに濃いコロラド。表面はてかてかと光沢があり、オイルを含んでいたことがわかる。
葉脈は少ない。ヘッドはうまく処理されているが、何よりも目を引くのはそのエドモン・ダンテス専用リングだ。
香りはウッドとレザー、ウッドが強い。
ヘッドをフラットカットして空吸い、フットに火を灯す。

乾いた薪の焚き火と、ふくよかなタバコの香りが満ちる。
喫煙すると、ウッドの甘いタッチ。
と思えば、振り返ると刹那にビターへ変化する。連続して。
木杯に芳醇なコニャックを満たしたような、コクと深いウッド。
そしてレーズンのような甘みと仄かな酸味、それが軽くなり深くなりを繰り返す。ミディアム。

非常に奥行きがあり、輪郭を伴うような明確な味わいがある。
連続して変化し、留まることがない。白粉。素晴らしいブーケ。


中盤はやや軽くなる。
コニャックのような熟れたコクは増幅し、煙という気体なのに口腔に確実にコニャックを感じる。
固く引き締まったウッド。ほのかにナッツも感じる。やはり葡萄系のタッチが色濃く広がっている。喫煙の強弱で千変万化の表情を見せる。

リングに達した終盤は小麦っぽいものが加わってくる。ビスケットを彷彿とさせる。
ブローすると清涼なスモークに圧倒される。傲然と白粉。ブーケが爆発する。

70分で喫了。
2016年以降メキシコERでエドムンド・ダンテスはリリースされていないが、あのガセネタの神話も含めて印象に残るシガーであり、ブランドだ。
今は手に入りにくくなっているので、新リリースをずっと待っている。

ちなみにこのサイトでエドムンド・ダンテスはMontecristoのタグを打っているが、Montecristoの亜種だと思い込んでいる人が非常に多いので意図的にそうしている。
上記の文を読めば氷解するだろう。

LABEL : Montecristo 【Aged】 【Edicion Regional】