Quai d'Orsay Imperiales '10

2015-06-03

 

ケ・ドルセー インペリアレスは1974年から現在も生産され続けているチャーチルサイズのシガーだ。

チャーチルのディスコンが続く昨今、これはありがたい。
サイズは47×178、フリエタNo.2(チャーチル)。
ケ・ドルセー共通のパッケージングである木製平型の25本箱で提供される。
 

香りを確認すると、淡い若い鞣革、木。

ラッパーはやや荒れていて葉脈の引きつれが目立つ。が、浮きはなく感触はまずまず。
表面には薄くブルームが張っている。フットから吸ってみるとドローは良い。このサイズでドロー不良は苦行だ(最近のハバノスではまずないが)。
 
ヘッドを切り落とし、フットを炙ると、青い杉の葉を燃やしたような芳香。
火をまわすと、淡い木質感が口の中一杯に広がった。
ウッディ→レザー→スパイスと順に行くが、そのテイストは均整が取れ常にでしゃばらず奥ゆかしさを感じる。
喫感はライト・ミディアム。
淡白な菌類……エノキダケのようなテイストを感じる。スチール。ペパーミント。枯れた竹の葉。
燃焼温度を上げてやると、スパイスがモリモリでて躍動する。が、スロースモーキングだとあくまで穏やかに優しい木質感。
灰は白く美しい。ホールドはよい。
灰を落として直接吸うと、乾いた朽木の風味が通っていった。
 

灰を3回ほど落としたところでヘーゼルナッツが立ち上がってくる。アフターは優しくスパイシー。
朽木に生えた古茸の図が頭から離れない。非常にまーったりだがオイリーさはない。
 
終盤、木質感が炸裂してくる。
菌糸が張り巡らされた幹。煙を吐き出したあとに喉奥に残るウッディ感の塊。
しばしそれにたゆたっていると、残り数センチでミントがぐいぐい昇ってきた。
さっぱりと110分で喫了。
アンニュイなインペリアレスはちょっと毛色の変わった素晴らしいチャーチル。

LABEL : Quai d'Orsay