Bolivar Coronas Gigantes '99

2015-06-03


ボリバーは1902年に設立された古いブランドだ。
いくつかの工場主が入れ替わったが、直近では1954年にホセ・フェルナンデス・ローシャが亡くなった後、シフエンテス・ファミリーがローシャの家族からボリバーとラ・グロリア・クバーナのブランドを受け継ぎ、パルタガス・ファクトリーに生産の拠点を移したという。
ボリバーとラ・グロリア・クバーナのシガーに巻かれているリングはアウトラインが全く同じだ。

さて、ボリバー・ヒガンテス。
サイズは47×178、フリエタNo.2(チャーチル)。50CABは2010年でディスコンとなっているので探すしかない。
ノーリングのそれを一本手に取る。

香りは強いレザー、奥に強い木材の香り。
色はやや薄めのコロラド。ラッパーには薄く弧を描いて葉脈が走っている。
肌触りはすべすべと滑らかで、油っぽさは抜けている。フットをのぞくときっちり円形。50CABものだ。



ヘッドをフラットカットし咥えてみる。ドローは極上。
フットを焦がす。香ばしい、広葉樹の枯れ木の焚き火。いい香りだ。
着火してひと口吸い込む。小気味いいビターを含んだ鞣革、檜の太い枝。
仄かの感じる粗糖の甘み、そしてガス香。揮発感のある煙を口いっぱいに含むと陶酔する。
鮮烈な樹の髄を感じさせる圧倒的なウッド。
白い灰を落とし強く喫煙すると、ガス香が炎のように吹き上がる。

中盤にさしかかるとビターは針のように細くなり、旨み成分がモリモリ湧き出てくる。
ダシのような旨み、無辺大のウッディ。ややコーヒーが出てくる。深いコク。
控えめな甘みの尾をいつまでも引きながら、葉巻は短くなっていく。

終盤にはビターが身を潜め、レザーが顔をのぞかせる。
ウッドとレザーの広がりの中、太いコクと旨み、そして揮発感。意識が向こうに連れさらわれる。
ラスト3センチ、目の覚めるようなミントが突き刺さる。
80分で喫了。バラデロのビーチでこれをひと箱吸ったが、リング付きのそれはこれには及ばない。

LABEL : Bolivar 【Aged】