Cohiba Siglo V '01
2015-06-03
コイーバのシグロシリーズはIからVまで1994年にリリースされた。
シグロシリーズはタバコ発見の歴史を記念するものとして、発見から100年ごとにひとつ、つまりタバコ発見過去500年ぶんのシグロVまでリリースされた。
（シグロVIが発表されたのは2002年なので90年前倒ししてタバコ発見600年を祝ってリリースされているが、何も言うまい……）
さて、シグロVのサイズは43×170、ダリア（ロンズデール）だ。いかにロンズデールのビトラがなくなろうと、これはディスコンにはなるまい。
25CABにみっちり納まっている。現行のリングとは違い、質素な佇まいだ。
芳醇な杉の香りが鼻をくすぐるが若干紙っぽい。
ラッパーの色はやや緑がかったコロラド。表面はすべすべと滑らかでてかりを保っており、葉脈も少ない。見た目の美しさにも抜かりはない、この辺りはさすがのコイーバ。
フットを吸ってみると硬い……これはどうなんだろう。
シザーでヘッドを切り、フットを炙る。
杉の大木の幹がひび割れるまで燃えている。
着火してひと口。予想に反してドローは良い。この箱はみんなそうだ。
吸い込んでいる端から舌に感じる甘み。軽いビター。口腔に根でも張っているかのような重厚な木質感。
コイーバだ。コイーバ味だ。
コイーバならばブラインドテイスティングでも当てられる、という人は多い（実際はほとんどの人が当てられないと思うが）。このリッチな味わいがそう言わせるのだろう。確かにコイーバは数多のキューバンシガーの中で、味の奥深さが一段違う。
2センチほどで黒っぽい灰を落として強く喫煙。ウッディなビターの塊が直撃する。
ビターの皮が徐々にほぐれ、剥けた先には栗のテイスト。深いコク。
焼き栗だ、焦げ目の付いた焼き栗。
中盤に差し掛かるとビターはほころび始め、ガス香が顔を出しはじめる。
揮発するそれは直線的な木質感と交差し立体的な味わいを生み出す。
終盤に向かって駆け抜ける爽快感、これはペパーミント。
一貫して雑味はなく、端正のひと言に尽きる。
80分で喫了。
最近はBHKにお株を奪われがちだが、ハバノスのフラッグシップシリーズのひとつ。さすがのコイーバマジックだ。
