Quai D'Orsay Senadores Edicion Limitada 2019
2020-04-24
エディシオン・リミターダのパッケージングは、ハバノスのスタンダードラインナップのデザインを踏襲して作られてきた。
もちろん、最上クラスの限定品であるので細部はカスタマイズされて差別化をはかった品も多い。
しかし、2019年のELの第一報を受けたスモーカーたちは驚いた。
Montecristo、Ramon Allones、Quai D'Orsay、3種類全てが見たこともないビビッドなオリジナルボックスだったのだ。
そしてQuai D'Orsayからの初めてのEL。ブランドリニューアルから非常に人気が高く、ハバノスの売上増加への活躍が認められた結果だろう。ケ・ドルセー セナドレスの誕生である。
紙製の外箱を開くと、中には凝った作りのスライド・リッド・ボックス。化粧箱のように上13本下12本の2段だがSLBだ。面白い。
表面は艶消しで、ロゴが大きく自己主張している。
シガーは黒金のELダブルリングに、Quai D'Orsayのリングは「SENADORES」とプリントされたオリジナル。
サイズはRG48x157mm、ビトラ・デ・ガレラ:ヘルモソスNo.2(ビトラ・デ・サリダ:グランド・コロナ)。このビトラはELやERなどにしか存在しない。
ラッパーは葉脈が少なくなめらかで、マデューロ。オイルはあまり感じない。香りはウッド調。
ELリングがついたQuai D'Orsayの景色が凛々しく、しばし眺めてしまう。
フットを空吸いしてドローを確かめ、ヘッドをフラットカットし、粉を落とす。いつものルーチン。
ヘッドに火を灯す。立ち昇るカラメルの香り。
喫煙する。淡いウッドとさっぱりとした柑橘感。まさにQuai D'Orsayのそれだが、その軽さの裏に厚みがある。矛盾しているようだが事実なので仕方がない。
レザーやスパイスのタッチもあるが、あくまで控えめでそれでいてはっきりと感じる。
うま味、コクが強く浅煎りのコーヒー感もある。ライト。
重厚なタッチの多いELだが、このシガーは見た目に反してカラッと軽やか。しかし薄いというわけではなく、緻密なスモークはQuai D'Orsayのニュアンスを残しながら極上のハバノス体験だ。
中盤、ウッドをメインに紅茶葉のようなニュアンスが立ち上がる。
フローラルなアロマが場を支配し、乾燥シイタケが味蕾を攻撃してくる。気持ち顔を出したビターがアクセントになり、味わいがぐっと立体的になる。
ビターは焦がしたカラメルのビターさだ。うまさに止まらず、スパスパとやってしまいそうになる。
リングを外して終盤、ブローすると乳酸菌飲料のようなコクと甘みがじんわり広がる。
滋味深いライトなスモークに戸惑う。
甘さとウッド、かすかなビターにたゆたう。短くなっても辛さやエグみは皆無。あくまでライト、あくまでスムース。これがELになったQuai D'Orsayの真価か、としばし唸る。
60分で喫了。
非常に期待が大きいシガーだったが、見事な出来栄えだった。
ELになっても重たくなく、個性を生かした作り。何本でも連喫できそうなシガーだ。
LABEL : Quai d'Orsay 【Edicion Limitada】