Cohiba Esplendidos '20

2023-04-27

コイーバ エスプレンディドスはランセロと双璧をなすCohibaのフラッグシップだ。
2023年はグランレゼルバにも選ばれ、ブランドの顔と言ってもいい。
1989年にリリースされたリネア・クラシカのひとつだ。Cohibaといえばこれを最初に思い出す人も多いだろう。

サイズはRG47x178mm、ビトラ・デ・ガレラ:フリエタNo.2(ビトラ・デ・サリダ:チャーチル)。Romeo y Julietaのチャーチルなどど同じビトラとなる。
高級ラインらしく蓋も箱型のボワト・ナチュールに25本が収められたパッケージが一般的だが、2003年までは蓋が板型のセミ・ボワト・ナチュールだった。もちろんCohibaなのでどちらもラッカー仕上げになっている。
他にもペーパーバックのものが販売されている。

箱を開けると、濃厚なタバコ香。獣臭も若干感じる。
ラッパーはコロラドで、表面がパンパンに張ってオイリー。葉脈も少なく、Cohibaのプライドを感じる仕上げ。総じて、非常に喫煙欲をそそる。

ヘッドをフラットカットし、空吸いの後に着火する。馥郁たるウッドが満ちる。甘い香りだ。
喫煙すると、ウッドをベースに焼き栗、カラメル、デーツ。ねっとりした甘み。アフターにややビター。
ミディアムフル。
コニャックのようなコク、味蕾を侵すうま味の暴力。
発酵回数が他のハバノスより多いCohiba特有の、あのデザートのひと皿のような、シガーというよりスイーツのようなあれだ。


中盤は喫感がややドライになり、ナッティーな風味が立ち現れる。
質感はピカンに近い。煙のテクスチャは素晴らしく、変化は無限で、喫煙中ひと時も固定されない。白粉の風味も顔を出し、アロマが凄まじい。これはほぼ暴力だ。
煙はクリームのように濃密で、つっこんで吸いたくなるのを押し留めるのに苦労する。

終盤、ブローすると栗の風味が一段と太くなる。
焦げた皮の質感さえ感じ取れる。
終局に来てもきつさ、辛さ、えぐみ、渋みなど一切なく澄んでいる。
味わいの変化もますます伸び、アフターに白胡椒を感じる。

70分で喫了。
ハバノスのスタンダードラインナップで、外すことのできない名品。
ヒュミドールの中には常にあるべきシガー。キング・オブ・タバコはルシタニアスというのが一定の評価だが、エスプレンディドスから目を背けることもできない。

LABEL : Cohiba